マイケル・ジョンソンとペイジ・ヴァンザンという、ネームがあるが階級を変えた選手たちがそれぞれダレン・エルキンスとジェシカ=ローズ・クラークというベテラン勢に返り討ちにされる展開があったが(上の動画、エルキンスのRNCは見事だった)、ビッグネームのビクトー対ユライアが消えたことでやはり注目は「コリアン・スーパーボーイ」チェ・ドゥホの試合に集まっていた。大会用の無料試合動画にはドゥホの知名度が一挙に上がったカブ・スワンソン戦を流し、主催者側も推しまくっていた感がある。
韓国選手の中でドゥホは、「コリアン・ゾンビ」ジョン・チャンソンと共に「コリアン〜」と呼ばれているわけで、まあこういうあだ名が付くということはホームではないということだが、既にキャラクターが付いていて人気・知名度ともに高い。
ドゥホは試合前のインタビューでジョン・チャンソンやキム・ドンヒョンに対してリスペクトを述べているが、韓国の選手がUFCに出場し続けていることにはやはり強い意識があることをうかがわせた。また、徴兵前にチャンピオンまで登りつめたい旨にも触れていて、解説者たちはその事情にも触れていた。概してドゥホ中心に回っていた大会だ。
しかし2Rに入ってスティーブンスは距離を詰め、乱打戦に持ち込んだ。ドゥホがアッパーを外したのをきっかけに距離が詰まり、両者パンチの距離となる。ローレッグキックにスティーブンスが右を合わせると、ドゥホは被弾しながらじりじりと後退。ケージ際を下がりながら打撃を交わしたところで右を喰らい、ダウン。そのままオーバーハンドの右→左肘のパウンド連打でレフェリーストップとなった。
スワンソンは左右に的を絞らせないことでドゥホの直線的な動きを殺していたが、スティーブンスの場合、パンチの威力と乱打でドゥホの距離を潰し、押し切った形だ。インタビューでは、次はブライアン・オルテガでも誰でもいいとアピールした。一方のドゥホはスワンソン戦に続き、被弾のダメージ蓄積が心配だ。トップ戦線のタフさに巻き込まれてやられてしまっているので、長所を活かしつつ喰らわないでいられるような、スタイルの見直しも必要かもしれない。