2017年12月10日日曜日

[MMA]
マッケンジー・ダーンvs.カリーヌ・メデイロス(Invicta FC 26
実力派にして一種アイドル的人気を誇る柔術家、マッケンジー・ダーンによるインヴィクタ初戦。すでにLFC・LFAでMMAの実戦は積んでいたが、いよいよインヴィクタへの参戦ということで期待も高まっていた。セコンドにはMMA LAB同門のベン・ヘンダーソンの姿が見える。一方、相手のカリーヌ・メデイロスはブラジル出身の38歳、8勝6敗のレコード。構えからすると明らかにムエタイ系、立ち技中心の選手である。
試合は1Rから、意外なことにダーンが打撃の攻撃に終始する。ジャブで距離を詰めつつ、左ミドルや前蹴りなども交えて相手にプレッシャーをかけてゆく。ラウンド中盤、ダーンの右のオーバーハンドがヒット、メデイロスが一瞬ふらつく。コンビネーションでメデイロスを押しながら、ダーンが終始優勢に進めた。
2Rも同様の展開。途中、ダーンの右ミドルをメデイロスが抱えケージまで押し返す流れもあったが、メデイロスはタックルに移行することもできずスタンドに戻る。このラウンドの終盤にクリンチがもつれ、倒れた所からダーンがフルマウントを奪うと、ブザーが鳴るまでパウンドの雨を注ぐ。
3R、メデイロスは殴り合いを避け、連打からケージ際のクリンチに持ち込み細かな打撃を当ててゆく。しかしラウンド残り最後50秒になった時、ダーンが大内刈りでメデイロスをテイクダウン。そのままサイドからマウントを奪う。メデイロスが右手を伸ばしたまま回転してうつ伏せになろうとした初歩的ミスを逃さず、その手を掴んでそのまま腕十字! タップアウトを奪った。
ダーンが立ち技中心の相手に、打撃でも十分に通用することを示した試合となった。大振りでスタミナを消耗するかと思えばそんな事もなく、3Rの攻防をやり抜いた点で大きな勝利だった。だがダーンのスタンドでの動きは、寝技中心の選手が立ち技をするときに見られる、上半身と下半身が連動していないような形に見えた。単発の打撃・コンビネーションの威力は本物に見えたが、内臓を動かしてスタミナを消耗してしまいそうな動き方だったので、より圧力がある相手が出てきた時こそ正念場ではないか。