2017年11月12日日曜日

[MMA]
ダスティン・ポワリエvs.アンソニー・ペティス(UFC Fignt Night Norfork)
「ダイアモンド」ポワリエはこれまで「来そうだな」というところでスワンソン、マクレガー、マイケル・ジョンソンに敗けてしまい、前のアルバレス戦がノーコンテストに終わったということで、実力十分だがトップ視されてこなかった選手だ。一方の「ショータイム」ペティスはPV映像を見る限り、イジー・マルティネスのレスリング指導を受けてケージレスリングを強化していることがわかる。かつてのベンソン・ヘンダーソン戦の腕ひしぎでの決着やチャールズ・オリベイラへの勝利から見ても、さらにグラウンド面の強化に努めてきたと思われる。だがATTのポワリエの戦略は、そこをむしろ柔術で攻めてくるものであった。
ポワリエといえば打撃のイメージが強かったが、戦績を見ると確かにサブミッションでもこれまでにかなり勝利数を稼いでいる。今回は第一ラウンドから打撃を見せつつ、距離を潰すダッシュ気味のタックル→グラウンドという展開へ持ち込み、バックを何度も奪う。一発の極めがあるペティスのサブミッション(キムラ)も、ケージを活用しながらうまく防いでいた。ポワリエはパウンドと柔術の技術を非常に滑らかにつなぎ、ペティスを流血させつつボディロックと激しいグラウンドの攻防で弱らせてゆく。第三ラウンド、スタミナも切れないままにポワリエがバックからマウントに移行した所で、ペティスをタップに導いた(肋骨が折れた?)。むろん第一ラウンド最後のパンチの交換も見所だったが、ポワリエがペティス相手に柔術スキルで勝負をかけていった点(ペティスの三角も何度も防いでいる)に、この試合のポイントがあった。どうあっても「隠し武器」的な位置づけであるペティスの柔術を狙い正面勝負を挑んだ、作戦勝ちとも言えるだろう。