ゲガール・ムサシvs.アレクサンダー・シュレメンコ(Bellator185)
ムサシの移籍一戦目ということだが、シュレメンコの相手左足を抱えてのロシアンフックが第一ラウンドに炸裂し、ムサシの右目が塞がり腫れる。ムサシはその後距離を潰して独特のテイクダウンからシュレメンコをコントロール、片目が見えず距離を測れない不利をグラウンドコントロールでカバーする。RNCはフェイスロック気味となり決まらず。第二ラウンドのムサシは右手を常に上げて相手の左を被弾しないように構える。シュレメンコのブラインドサイドからの打撃を、レスリングというよりは柔術的なテイクダウンへの動きで防ぐ。第三ラウンドはシュレメンコ優勢、回転系のパンチ・キックの切れと体の力の強さを感じる瞬発力で攻める。猪木アリ状態でのパウンドは効果的に見えた。
判定への批判もあるようだが、全体として一・二ラウンドのムサシによるシュレメンコのボディコントロールを見るなら、それほど妥当でない判定だとは思わない。ムサシのテイクダウン能力&怪我してからの試合運びの上手さと、シュレメンコというヒーロー要素のない選手が持つ地力の強さを見せつけた試合だったということだろう。